肝臓病は、現在、成人病で死亡した人の死因の第4位になっています。これは、他の病気に比べてかなり上昇しているといわざるをおえません。肝臓病が第4位になった理由の一つは、医療技術の発展により、他の病気の死亡率が低下した事もそうですが、肝がん自体の発生数が上昇したからです。
この肝臓がんは、主にC型肝炎が原因です。C型肝炎が慢性肝炎となり、肝硬変から肝臓がんを引き起こしてしまします。
しっかりと早期発見したいところですが、肝臓は「沈黙の臓器」とよばれており、多少ダメージを受けたとしてもほとんど症状が現れません。
その理由は、肝臓の予備能力が非常に優れているからです。肝臓はなんと、6/7を切り取ったとしても正常に保たれることが分かっているほどです。
しかし、全く肝臓病のサインが出ないわけではないので、しっかり症状を把握し、治療ではなく予防を行ないましょう。
様々な肝臓病
1.ウイルス性肝炎
ウイルス性肝炎の原因ウイルスとしてA型、B型、C型、D型、E型肝炎ウイルスが知られています。
A型・E型肝炎は主に食品(なまの貝類や肉類)を介して感染します。
B 型・C型肝炎は輸血、注射針を使用する薬物乱用、刺青、昔の医療行為等による感染と、母親のウイルスが出産時に子供へ感染する母子感染があります(原因が確認できないケースもあります)。感染者の方は感染予防のために歯ブラシやカミソリは自分専用として他人に使用させず、また自分の血はご自分で処理してください。日常生活ではほとんど感染しません。
C型肝炎は日本国内における肝臓病原因の大半を占めます。出産時の母子感染の確率は10%程度です。母親の血液中のウイルス量が多い場合に高頻度に感染します。
D型はB型に重感染するウイルスで、血液感染です。D型・E型はほとんどが海外での症例であり、国内では非常に少ないタイプです。B型・C型が慢性化します。慢性肝炎にかかりますと20〜30年の経過で肝硬変、さらには肝臓がんに進行します。
2.アルコール性肝障害
お酒の飲みすぎにより、中性脂肪が肝臓にたまり肝臓が肥満化した状態になり、肝障害が発症するアルコール性脂肪肝や、宴会などで普段より大量のお酒を摂ったときに起きる急性の肝障害(アルコール性肝炎)があります。一日に肝臓で解毒できるアルコールは日本酒で1合、ビールで大瓶1本です。それ以上の飲酒は肝臓に負担をかけますのでひかえめにしましょう。
3.非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
肥満による単純性脂肪肝とは少し異なります。NASHは脂肪肝にインスリン抵抗性、鉄過剰による酸化ストレスなどの要因が加わって発症すると考えられています(最近ではステロイド剤や抗エストロゲン剤なども原因としてあげられています)。
体重のコントロール(標準体重:身長(m)x身長(m)x22に近づけること)と、鉄分の多い食品を減らす必要があります。
通常の脂肪肝より肝硬変になる確率が10倍といわれています。
4.自己免疫性肝障害
体の免疫機能の異常が原因で起こります。欧米に多い肝障害で、わが国は比較的少数です。体内では体を守るために免疫がはたらきウイルスや異物を排除します。自己免疫性肝障害では正常な肝細胞等を異物と誤認して免疫がはたらき、肝障害を引き起こします。
5.薬物性肝障害
薬や健康食品の服用開始からおよそ1ヵ月以内に肝機能障害をきたしたものを薬物性肝障害と呼んでいます。ウイルス性急性肝炎に似た発熱などを伴う「肝炎型」と黄疸があらわれる「胆汁うっ滞型」のタイプに分かれます(両方の混合型もあります)。
6.代謝障害性肝障害(ヘモクロマトーシス、ウイルソン病)
肝臓は、鉄や銅など重金属の代謝を行う化学工場の役目を担っています。 肝臓が処理しきれないほどの多量の金属がたまるために肝障害が起こります。
男性の方が女性より10倍多い病気です。遺伝子の異常が原因で発症する病気であり、家族内集積を認めます。
7.先天性肝障害
新生児でウイルス感染がない原因不明の肝炎を「新生児肝炎」と呼んでいます。生後1ヵ月頃から黄疸が続きますが、生後3〜4ヵ月頃までに黄疸は消え、肝機能も正常に戻ります。このとき、2ヵ月が経過しても黄疸が消えない場合は「先天性胆道閉鎖症」の疑いがあります。先天性胆道閉鎖症とは胆汁の流れる胆道がふさがる病気で、1歳ごろまでに肝硬変に進行します。この他、先天性肝障害には胆道の一部に胆汁がたまり胆管炎を引き起こす「先天性胆道拡張症」があります。

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